今年で銃猟を辞めたので獣を解体精肉する必要がなくなりまして、お引き継ぎいただける方によろしくお願いいたします。特殊な組み合わせかもしれませんので、私の方法論をご説明するのとお品の解説を述べます。まずMora Fishing comfort scalerですが、これは通常魚用ですが、皮剥から細かいバラシにも大変有効で、短い刃長と細い身が大変に使いやすいです。これは刃を骨に当てることのない肉の切断作業に使います。次にRobustですが、関節のグリ外しとかで刃が骨に当たり負けそうになる局面で使うとこじ開けとかひねりの力も使えて良いです。軟骨や子鹿・ウリだとかのバラ骨切りにも十分耐えます。刃を使い分けることによって刃先の摩耗が起きなくなるので、肉用の切れ味を持続させ、減り覚悟の場所はこれでやる、というのが迅速で軽快な解体の基本です。余り使われないMora Chieselですが、木槌と併用して骨を割る、肋骨の根本を綺麗に削ぐ、関節をハツる、恥骨の面取りや切削にも有効です。直腸から肛門をそのまま抜いて便で汚染させない下処理には、鋸よりも綺麗で早いものです。鋸は骨くずが出るので推奨できません。骨切りは銘が入っています。かなり古いものですが鋼が美しいです。545ｇありますので重さも十分。猪の背骨割だとかに良いですね。この部位は中華料理の東北大醤骨をやると最高です。煮汁は支那蕎麦出汁からいろいろに活用できる、と。相応の傷やらヒルトの錆などあります。研ぎ直せば新品同様になりますので、新所有者様の腕次第。あえてこのままでお渡しいたします。ご自身で最愛のナイフを完成させてください。おまけでCabela's のケブラー防刃手袋をつけます。肉片やら繊維、脂肪がついていますが普通に使えます。安全第一ですので気にされる方には心強いものだと思います。